知らぬ間に忍びよるコンピューターウイルス
コンピューターウイルスとは?
コンピューターウイルスとは、メールの添付ファイルや悪意のあるWEBサイトの閲覧を介してパソコンに侵入し、なんらかの悪影響を及ぼすプログラムのことです。
コンピューターウイルスの中には、パソコンの画面に何らかのメッセージや画像を表示するだけといったイタズラをするものから、パソコンの中にあるファイルを消去したり、パソコンの動作を不安定にしたり、パソコンを起動できなくしたり、重要な情報を外部に自動的に送信するといった悪質な動きをするものまで、さまざまな種類があります。
また、多くのコンピューターウイルスは、大きな特徴として、自己増殖する仕組みを持っています。最近では、メールソフトのアドレス帳に登録されているメールアドレスや送受信履歴を利用して自動的にコンピューターウイルス付きのメールを送信する手口が多くなっています。お客様のパソコンがコンピューターウイルスに感染していると、お客様のパソコンから知らず知らずのうちにコンピューターウイルス付きのメールが送信され、いつのまにか加害者になっているケースも考えられますので十分注意しなければなりません。
当初、コンピューターウイルスは、「自分のコンピューターの知識を試したい」「世間をアッといわせたい」といった動機を持つ愉快犯により作られるものだという認識が一般的でした。しかし、近年は金銭を騙し取る目的で作られる悪質なものが増えてきています。
以下では、個人情報などの重要な情報を盗み出すコンピューターウイルスの一例として「ボット」について説明します。
ボットとは?
ボットとは、コンピューターを外部から操ることを目的として作られたプログラムのことです。コンピューターに侵入したボットは、外部からの指示を待ち、指示があるとあらかじめ決められた動作をします。この動作がロボットと似ていることからボットと呼ばれています。
「あらかじめ決められた動作」には、「スパムメール(※1)を大量に送信する」「特定のWEBサイトにDoS攻撃(※2)を仕掛ける」「他のパソコンに不正アクセスを仕掛ける」などいくつか種類があります。その中には、「感染したパソコンの情報を外部に送信する」というスパイ活動も含まれています。
- スパムメール:迷惑メール、ジャンクメールとも呼ばれ、不要な広告などが掲載されたメールのこと
- DoS攻撃:あるWEBサイトに一斉にアクセスするなどして負荷をかけ、サーバーをダウンさせてしまう攻撃のこと
ボットの「スパイ活動」
ボットに感染している状態で、お客様がメモがわりに、クレジットカード番号や有効期限、IDやパスワードなどをテキストファイルに保存していたら、どうなるでしょうか?
ボットがそのファイルをお客様が気づかないうちに外部に送信し、悪意のある第三者がその情報を使ってショッピングすることは十分考えられます。
例)MUFGカード会員の方
コンピューターウイルスは、今後もパソコンの欠陥をついたさまざまな新種が出てくることが予想されます。したがって、コンピューターウイルスの対策を怠っていると、たちまちその餌食となり、お客様もいつ被害を受けるかわかりません。
【コラム】コンピューターウイルスの定義
(1)自己伝染機能
自らの機能や他のシステムの機能を利用することによって、他のプログラムやシステムに自らをコピーしながら他のシステムに伝染する機能
(2)潜伏機能
プログラム中に発病するための特定時刻、一定時間、処理回数などの条件を記憶させ、条件が満たされるまで症状を出さない機能
(3)発病機能
プログラムやデータなどのファイルの破壊を行ったり、コンピューターに異常な動作をさせるなどの機能
- 経済産業省発行「コンピューターウイルス対策基準」を参考に作成
ウイルス対策ソフトでこまめにチェック
以下のような現象が起きていたら、もしかしたらパソコンがコンピューターウイルスに感染しているかもしれません。
- パソコンが起動しない。
- パソコンの起動に異常に時間がかかる。
- 何も操作していなくてもパソコンがカリカリ音をたてている。
(パソコンが勝手に何かのファイルを探しているように思える) - パソコンの動作が停止する。
- ファイルが削除されたり、破壊されたりする。
- ファイルの容量が勝手に変わっている。
- 知らないファイルがいつの間にかできている。
- 異常なメッセージが画面に表示される。
- メールが勝手に送信される。
- 意図しない音楽が演奏される。
- 画面表示が崩れる。
- ソフトウェアの動作が急に鈍くなる。
そのようなときには、ウイルス対策ソフトのスキャンを実行することでコンピューターウイルスを検知できる場合があります。スキャンの前に、ウイルス対策ソフトや、コンピューターウイルスの判定に使用される定義ファイルを最新にしておきましょう。