会社経費の支払い効率化術
2024年3月25日

クレジットカード年会費の勘定科目は?経費計上方法を仕訳例で解説

クレジットカード年会費の勘定科目は?経費計上方法を仕訳例で解説

事業に利用しているクレジットカードの年会費は、経費に計上することができます。
一般的には、「支払手数料」の勘定科目を使って処理するのが一般的ですが、「諸会費」や「雑費」を使うこともできます。年会費は、クレジットカードの優待や特典を受けられるサービスの手数料といった扱いになります。ただし、法人カードと個人名義のクレジットカードでは仕訳が異なるので注意が必要です。
ここでは、クレジットカードの年会費を経費計上する際の勘定科目をはじめ、法人カードと個人名義のカードの仕訳の違いや、家事按分の方法について解説します。

クレジットカードの年会費は経費にできる

クレジットカードの年会費は、事業での支払いに利用しているクレジットカードであれば、経費として計上することが可能です。個人事業主に課される所得税や法人に課される法人税などは、売上から経費を差し引いた所得に対してかかります。そのため、クレジットカードの年会費を経費として計上することは、納める税金を抑えることにつながります。

ただし、プライベートの支払いのみに利用しているクレジットカードの年会費は、経費には計上できません。また、個人事業主の場合、事業にもプライベートにも使っているクレジットカードであれば、事業利用分のみ経費として計上できます。

クレジットカードの年会費の勘定科目

クレジットカードの年会費の会計処理は、「支払手数料」の勘定科目を使うのが一般的ですが、「諸会費」や「雑費」を使うこともできます。クレジットカードの年会費を、クレジットカードを利用するための手数料と考えるなら「支払手数料」、クレジットカードの会員であるための会費と考えるなら「諸会費」として処理するのが妥当であり、ほかに似たような費用がないなら「雑費」として処理することもできます。
大事なのはどれを選ぶかではなく、一度決めたら毎年度同じ勘定科目を使うことです。毎年度異なる勘定科目にすると、帳簿の内容がわかりづらくなるため、会計年度が変わっても、同じ勘定科目を使って会計処理を行いましょう。

例えば、クレジットカードの年会費が1万1,000円だった場合、複式簿記での会計処理は以下のようになります。

支払手数料として仕訳する場合

クレジットカードの年会費を支払手数料として仕訳する場合は、以下のように借方に「支払手数料」、貸方に「普通預金」を使って仕訳を行います。複式簿記の場合、1つの取引が借方と貸方に分けられ、借方と貸方の金額は一致します。一致しない場合は、仕訳に間違いがあるので、帳簿付けの際に両方入っているか確認しましょう。

■ クレジットカード年会費を支払手数料とする仕訳例

借方 貸方
支払手数料 11,000 普通預金 11,000

なお、クレジットカードの年会費には消費税が含まれているため、仕入税額控除の対象になります。そのため、仕入税額控除を行う場合は、以下のように借方には消費税を仮払消費税として追加し、貸方は税込で記載してください。諸会費、雑費も同様です。

■ クレジットカード年会費を支払手数料とする仕訳例(仕入税額控除を行う場合)

借方 貸方
支払手数料 10,000 普通預金 11,000
仮払消費税 1,000

諸会費として仕訳する場合

クレジットカードの年会費は、諸会費としても仕訳できます。諸会費は商工会議所や同業組合など団体に支払った会費を扱う勘定科目ですが、クレジットカードはカード会員として属しているので諸会費扱いが可能です。
諸会費に仕訳する際も以下のように、借方に「諸会費」、貸方に「普通預金」を使って仕訳を行います。

■ クレジットカード年会費を諸会費とする仕訳例

借方 貸方
諸会費 11,000 普通預金 11,000

雑費として仕訳する場合

クレジットカードの年会費は雑費としても仕訳できます。主に個人事業主が利用する方法です。雑費として仕訳する場合、借方に「雑費」、貸方に「普通預金」を使って仕訳を行います。

■ クレジットカード年会費を雑費とする仕訳例

借方 貸方
雑費 11,000 普通預金 11,000

クレジットカードの年会費が仕入税額控除の対象になる要件

クレジットカードの年会費は、付帯サービスと対価性があることから、消費税が課税されています。
年会費の消費税は、要件を満たせば、仕入税額控除を受けることができます。

仕入税額控除は、課税事業者が納税すべき消費税額を計算する際に、売上にかかる消費税額から仕入れなどにかかる消費税額を差し引いて計算できる制度です。
2023年10月1日にインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されたことで、この仕入税額控除の適用を受けるには、取引相手(売手)が発行した適格請求書(インボイス)の保存が必要になりました。適格請求書とは、売手が買手に対して発行するもので、国税庁の「適格請求書等保存方式の概要―インボイス制度の理解のためにー」によると、以下6つの項目が記載された書類を指します。

適格請求書の要件

  • 適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額など
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

つまり、一般課税の事業者は、クレジットカードの年会費について仕入税額控除を受ける場合、カード会社から適格請求書の要件を満たした年会費の領収書などの書類を受け取り、それを保存しておくことが必要になります。また、本体価格と消費税を分ける税抜経理での仕訳が必要です。

なお、事前に届出を行い、基準期間の課税売上高が5,000万円以下で簡易課税制度を利用している事業者や、インボイス制度導入により免税事業者から課税事業者になって2割特例を利用する事業者は、売上にかかる消費税額の一定割合を納付する消費税額とみなせるので、仕入税額控除の適用を受ける必要がありません。そのため、この場合、適格請求書は不要です。
インボイス制度は複雑なため、不安な場合は、税理士や国税庁の「インボイスコールセンター(インボイス制度電話相談センター)」でご確認ください。

法人カードと個人名義のクレジットカードで経費にできる年会費の違い

クレジットカードには、個人名義のクレジットカードと、法人や個人事業主などの事業者名義の法人カードがあり、どちらのクレジットカードも、事業での支払いに利用しているクレジットカードであれば、その年会費は経費として計上できます。しかし、個人名義のクレジットカードの場合、使い方によっては経費にできないという違いがあるため、それぞれの会計処理を見ていきましょう。

法人カードの場合

法人カードは、事業用の支払いに利用するためのクレジットカードです。ビジネスカードやコーポレートカードと呼ばれることもありますが、事業利用目的のため、法人カードの年会費は経費に計上できます。

個人名義のクレジットカードの場合

個人名義のクレジットカードの場合、事業用とプライベート用の使い方によって、年会費を経費として計上できるかが以下のように異なります。

・事業用の支払い専用として使っている場合
個人事業主などで、個人名義のクレジットカードを事業の支払い専用として利用している場合は、年会費の全額を経費として計上できます。

・事業とプライベートの両方に使っている場合
1枚のクレジットカードを、事業とプライベート両方の決済に利用している場合は、家事按分という計算を行って、事業に利用した分だけを経費に計上します。例えば、年間の決済金額が100万円で、うち60万円が事業関連、40万円がプライベート関連だったとすれば、年会費の60%分のみを経費として計上できます。

・100%プライベートに使っている場合
個人名義のクレジットカードをプライベートでしか利用していない場合は、年会費を経費とすることはできません。

クレジットカードの年会費を家事按分する方法

個人名義のクレジットカードを事業とプライベートの両方に使っている場合は、使っている割合に応じて振り分ける、家事按分を行う必要があります。
家事按分の計算方法に明確なルールはありませんが、客観的な事実に基づいている必要があり、クレジットカードの年会費なら、以下のように決済件数や決済金額が基準になります。

・決済件数
年間の決済件数が100件あり、うち60件が事業関連、40件がプライベート関連だったとすれば、年会費の60%を経費に計上できます。年会費が1万1,000円なら6,600円分を経費計上できます。

・決済金額
年間の決済金額が100万円で、うち80万円が事業関連、20万円がプライベート関連だったとすれば、年会費の80%を経費に計上できます。年会費が1万1,000円なら8,800円分を経費計上できます。

いずれにしても、税務調査が入った際、使用実態の根拠が必要になるので、割合について判断が難しい場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。

個人事業主でも作れる法人カード(ビジネスカード)のメリット

法人カードは、その名称から法人しか持てないように思われがちですが、法人カードの中でもビジネスカードなら個人事業主も対象になっていることがあります。法人カードは、年会費の全額を経費として計上できるなどのメリットが多くあります。ここでは、ビジネスカードのメリットを見ていきましょう。

事業上の支出を一本化できるので、経費管理が楽になる

ビジネスカードを持つと、事業上の支出を一本化できるので、経費管理が楽になることがメリットとして挙げられます。ビジネスカードの明細書を見ればすべての支出が把握でき、会計ソフトと連携させておけば自動で決済履歴を取り込むことが可能です。そのため、経費管理の負担軽減にもつながります。

事業とプライベートの支出を分けられる

ビジネスカードを持つメリットは、事業用とプライベート用の支出を明確に切り分けられることです。事業用で利用した分を探したり、家事按分したりする手間が省けることは、忙しい経営者にとっては大きなメリットといえます。また、ビジネスカードで経費管理できれば、経費計上の漏れも防げるでしょう。

振込など支払いの手間が減らせる

事業上の支払いをビジネスカードに一本化することで、現金のやりとりがなくなり、振込などの手間を減らせることもメリットの1つです。また、タッチレス決済に対応しているビジネスカードなら、会食時のお会計もスムーズに対応できます。

ビジネスに役立つ付帯サービスを利用できる

ビジネスカードのメリットには、空港ラウンジの利用や航空券の割引など、ビジネスに役立つ付帯サービスを利用できることも挙げられます。これらの付帯サービスを利用することで、出張時の移動が快適になったり、料金がお得になったりします。ビジネスカードの年会費を経費計上できるので、年会費を無理に安いものに絞るのではなく、出張時に使えるサービスや、安心して使えるご利用可能枠に余裕があることなど、事業運営に役立ち、かつ年会費にみあう充実したサービスがあるかどうかで法人カードを選ぶといいでしょう。

初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめの三菱UFJカード ビジネス

三菱UFJニコスが発行している「三菱UFJカード ビジネス」は、スモールビジネスや個人事業主の方が入会しやすく、初めてビジネスカードを持つ経営者におすすめです。

ビジネスカードのご利用金額は法人口座(屋号付き口座)からの引き落としになり、立て替え払いの負担を軽減したり、会計ソフトと連携して経費管理業務の効率化を図れたりします。また、引き落とし日に経費の支払日を一元化できるため、支払いまでにゆとりができて、キャッシュフローの改善などにも役立つでしょう。年会費は1,375円(税込)で、出張経費の削減に貢献する限定プランや、経費が割引価格になる優待サービスも利用可能です。

さらに、経費の支払いで1ポイント5円相当で使えるポイントがたまるだけでなく、ご利用金額に応じて基本ポイントを優遇するサービスや、入会初年度は国内利用でポイントが1.5倍になる優待サービスなどもあります。
すでに法人カードを持っていて、ご利用可能枠を増やしたいという場合にもおすすめの1枚です。

三菱UFJカード ビジネスの特長

  • 出張経費の削減や経費が割引価格になる優待サービスがある
  • タッチ決済対応でスピーディーに支払える
  • 月間のご利用金額が10万円以上で基本ポイントの20%分が加算される

初年度の年会費が無料!優待サービスが充実したゴールドカード

三菱UFJカードゴールドプレステージビジネス

※アメリカン・エキスプレス®での
発行をご希望の方はこちら

三菱UFJニコスのビジネスカードには、お得なゴールドカードがあります。三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネス」の年会費は11,000円(税込)ですが、初年度の年会費は無料です。

また、ランクの高いゴールドカードならではの空港ラウンジサービス、JAL航空券をお得な運賃で予約できる優待サービスのほか、手数料無料でのゴルフ場の代理予約など、出張や接待をサポートするサービスが充実しています。

ご利用可能枠は100万~300万円ですので、出張費や接待交際費、仕入れ代、広告宣伝費の支払いなどにも安心して利用できるでしょう。

三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスは月間のご利用金額が10万円以上の方は基本ポイントの50%分が加算されます。経費管理業務の効率化だけでなく、たまったポイントを福利厚生プランに使ったり、マイルに交換したりすることで経費削減にもつながるのでお得です。

三菱UFJカード ゴールドプレステージ ビジネスの特長

  • 初年度の年会費が無料になる
  • タッチ決済対応でスピーディーに支払える
  • 国内とホノルルの空港ラウンジが無料で利用できる
  • ビジネスシーンでの優待サービスや割引サービスを利用できる

ビジネスリーダーにふさわしい、ステータス性と実用性に優れたプラチナカード

ランクの高い「三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード」は、充実の優待サービスを付帯しています。経費管理の業務効率化だけでなく、ビジネス面においてさまざまなサポートがあるので実用性にも優れている1枚です。

例えば、24時間365日対応のコンシェルジュサービスが付帯されているので、国際便の手配や接待先のお店の予約、出張先での病気やケガなどをサポートします。また、国内外の空港ラウンジを利用できる、プライオリティ・パスに無料で入会できるので、空港での時間も快適に過ごせるでしょう。

ほかにも、一流ホテル、厳選されたダイニングやスパ、レストランでの優待サービスがあり、接待や出張の際に使えるハイクラスなサービスがそろっています。
入会初年度は、国内利用で基本ポイントが1.5倍、海外利用で2倍になるので海外出張費や経費の支払いでお得にポイントがためられます。

三菱UFJカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードの特長

  • コンシェルジュサービスを24時間365日利用できる
  • 国内外の空港ラウンジが利用できる
  • 海外出張の際にカード使用者1名につきスーツケース1つを優待価格で宅配できる
  • 入会初年度の基本ポイントが国内利用で1.5倍、海外利用で2倍になる
  • 国内の厳選されたレストランで2名以上の利用で1名分が無料になる
  • 一流ホテル、厳選されたダイニングやスパでの優待サービスがある
  • 国内利用分のポイントが1.5倍になる(入会初年度限定)
  • 海外利用分のポイントが2倍になる

年会費を全額経費に計上できるビジネスカードを活用しよう

事業に利用しているクレジットカードの年会費は、経費に計上することができます。ビジネスカードを持ち、事業利用分の支払いを一本化しておけば、家事按分の必要もなく、年会費の全額を経費に計上できるので、経費管理の負担軽減につながります。これから起業を考えている方や個人事業主の方、起業間もない方は、ぜひビジネスカードの利用をご検討ください。

おすすめのクレジットカード

カード名 スモールビジネスや
個人事業主の
最初の1枚におすすめ
経費や仕入れ代などに
余裕を持たせたい
経営者におすすめ
コンシェルジュなど
最高クラスの優待がほしい
経営者におすすめ
三菱UFJカード
ビジネス
三菱UFJカード
ゴールドプレステージ
ビジネス
三菱UFJカード
プラチナ・ビジネス・
アメリカン・
エキスプレス®・カード

年会費

1人目

1,375円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

11,000円(税込)

初年度は年会費無料

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

22,000円(税込)

2人目
以降

1,375円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

2,200円(税込)

※Visa、Mastercard®
どちらか一方の場合

3,300円(税込)

ご利用可能枠

40万~80万円

※ご契約法人単位

100万~300万円

※ご契約法人単位

100万~500万円

※ご契約法人単位

特長
  • 月間のご利用金額が10万円以上で基本ポイントの20%分が加算
  • 入会初年度は国内利用でポイントが1.5倍
  • 初年度の年会費無料!
  • 国内とホノルルの空港ラウンジサービスが利用可能
  • 月間利用が10万円以上で、基本ポイントの50%分を加算
  • 専用コンシェルジュが24時間365日対応
  • 国内外の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスに無料で入会可能!
最短発行
可能期間
3~4週間 3~4週間 3~4週間

そのほかの
クレジットカードを探す

カード種類・国際ブランドを選択のうえ、
お申し込みフォームへ進んでください。

よくある質問
クレジットカードの年会費は経費に計上できる?
事業に利用しているクレジットカードの年会費なら、経費に計上できます。経費として計上できるのは、法人カードの年会費は全額、個人名義のクレジットカードの年会費は、事業利用している割合の分だけです。個人名義のクレジットカードを事業とプライベートの両方に使っている場合は、家事按分を行います。

詳しくは「クレジットカードの年会費は経費にできる」をご確認ください。
クレジットカードの年会費の勘定科目は?
クレジットカードの年会費を経費計上する際の勘定科目は、「支払手数料」を使うのが一般的ですが、「諸会費」や「雑費」とすることもできます。ただし、一度決めたら途中で変更はできず、毎年度同じ勘定科目を使う必要があります。

詳しくは「クレジットカードの年会費の勘定科目」をご確認ください。
クレジットカードの年会費は仕入税額控除の対象になる?
クレジットカードの年会費は、付帯サービスと対価性があることから、消費税が含まれているので、仕入税額控除の対象となります。仕入税額控除を利用するには、カード会社が発行する適格請求書の要件を満たした領収書などを受け取り、保存していることが必要です。

詳しくは「クレジットカードの年会費が仕入税額控除の対象になる要件」をご確認ください。